2022年シーズンの振り返りpart.2です。
3月からはいよいよマスターズシリーズも開幕し、4月にはクレーコートシーズンへ突入していきます。
では、早速振り返っていきましょう!!
前回の記事はこちら
メイントピック(3月・4月)
各大会を振り返る前に、この2か月の主な出来事を振り返っていきましょう。
- A・マレー、ツアー700勝達成
- C・アルカラス、18歳11ヵ月でTOP10入り。10代TOP10は2007年のマレー以来
- 元世界ランク5位のJ=W・ツォンガ、全仏オープンを最後に引退を表明
あたりかなと思います。順番に見ていきましょう。
A・マレー、ツアー700勝達成
マレーがツアー通算勝利数700勝を達成しました。フェデラーが1200勝、ジョコビッチやナダルが1000勝しているので、感覚がマヒしていますがとんでもない記録です。
ちなみに700勝付近の著名な選手はこのあたりです。
- 762勝 ピート・サンプラス(GS14勝)
- 713勝 ボリス・ベッカー(GS6勝)
- 662勝 マイケル・チャン(元世界2位・GS1勝)
- 654勝 ビヨン・ボルグ(GS11勝・ウィンブルドン5連覇)
- 616勝 レイトン・ヒューイット(元世界1位・GS2勝)
こうしてみるとそうそうたるメンバーですね。マレーはまだ現役で、これから勝利数も積み増しできますし、実際この記事を書いている2022年12月には717勝でベッカーの勝利数を抜いています。
次は800勝を目指して、地道に頑張ってほしいですね。
C・アルカラス、18歳11ヵ月でTOP10入り。10代TOP10は2007年のマレー以来
アルカラスの勢いが止まりません。マスターズのマイアミを優勝した後、ATP500のバルセロナで優勝し、世界ランキングTOP10入りを果たしました。
10代でのTOP10入りはマレー以来15年ぶり、更には18歳11ヵ月でのTOP10入りは18歳10ヵ月でTOP10入りしたナダルの次に若い記録となります。
ちなみにですが、ナダルがTOP10入りを決めたのもバルセロナ優勝でした。何か運命的なものを感じますね…
アルカラスは今後、ナダルクラスの活躍をできるのかどうか、こういった記録を見ても期待が高まりますね。
元世界ランク5位のJ=W・ツォンガ、全仏オープンを最後に引退を表明
元世界ランク5位、フランスのJ=W・ツォンガが地元フランスの全仏オープンを最後に、自身のキャリアを終えることを発表しました。
ツォンガといえば、2014年のカナダマスターズがあまりにも有名ですよね。3回戦でジョコビッチ、QFでマレー、決勝でフェデラーを破り、優勝を飾りました。
BIG4を3人抜きしたのはこれ以外には2007年マドリードでのナルバンディアンだけです。これも相当難易度の高い偉業と言えそうです。
ツォンガはこれ以外にも、2008年全豪でマレー、ナダルを破って準優勝、パリマスターズでナルバンディアンを破って優勝したりと、ビッグタイトルでの活躍も多い上に、全GSでベスト8に進出していたりと安定感もありました。
フランスの四銃士として、モンフィス、シモン、ガスケと共にツアーを盛り上げてくれました。ツアーを彩った選手が引退していくのは悲しいですね。
では、各大会を見ていきましょう。
3月
3月はアメリカのマスターズ2連戦が開催されます。特に3月のインディアンウェルズとマイアミの2連戦はサンシャインダブルとも呼ばれ、極めて難易度の高い偉業と言われています。
ちなみにサンシャインダブル達成者は、男子7人、女子3人の計10人しか達成者がいませんでしたが、2022年シーズンでシフォンテクが達成したため、11人となりました。
[マスターズ1000]インディアンウェルズ(10日~20日)
インディアンウェルズは128ドローで開催されるため、大会期間は1週間ではなく、10日間に設定されています。
128ドローでは、優勝するのに7回も勝つ必要があります。かなり過酷ですね。
そんな過酷な日程を勝ち進んできたのは未だ今季無敗を誇る第4シードのナダルと地元アメリカの24歳、第20シードのフリッツでした。
ナダル有利とほとんどのファンが見守る中、フリッツが会心のプレーを見せ6-3 7-6(5)で勝利を手にしました。
フリッツにとってはこれが自身2度目のタイトル、そして初めてのマスターズ制覇となりました。今年1年振り返っても、フリッツはかなりプレーの質が上がったと感じます。来年はどこまで伸びるのか期待ですね。
一方のナダルは、試合後の検査で肋骨が疲労骨折していたことが発覚しました。骨が折れててこのプレーができるとか人じゃないよ…(誉め言葉)
[マスターズ1000]マイアミ(23日~4月3日)
インディアンウェルズに続き、こちらも128ドローで10日間開催されます。
決勝では、チリッチやチチパス、そして昨年覇者のハルカッチを倒してきた第14シードのアルカラスが、第6シードのルードと対戦します。
どちらが勝ってもマスターズ初優勝となるこの対戦、7-5 6-4で勝利を手にしたのは18歳のアルカラスでした。
2月のATP500・リオで優勝、そしてマスターズ初優勝で自身3つ目のタイトル獲得と、アルカラスの勢いが止まりません。
この勝利で世界ランキング11位へ浮上、TOP10目前まで到達しました。振り返ると、勢いが本当にすごかったですね。
一方のルードは惜しくも決勝で敗れましたが、ここから地獄の準優勝巡りが始まってしまいます。
ここでルードがもし勝っていたら、今世界ランク1位に輝いているのはアルカラスではなくルードだったかもしれません。まあたらればを話してもしょうがないんですが…
ルードも好きな選手なので、なんとか2023年にはビッグタイトルを獲得してほしいところです。
4月
マスターズ2連戦も落ち着き、いよいよクレーコートシーズンが開幕する月です。
このシーズンはハードコートの大会ではほとんど日の目をみない選手が活躍していたりするので、結構面白いなぁと思っています。
[ATP250]ヒューストン・マラケシュ(4日~10日)
まずはATP250大会の同時開催から、クレーコートシーズンがスタートします。
ヒューストンでは第3シードのオペルカと第4シードのイズナーが対戦します。アメリカの新旧ビッグサーバー対決ですね。
この二人の対戦は本当に面白いのですが、2019年以降の対戦はこれを抜いて4回あり、すべてオペルカが勝利しているんですが、すべてのセットがタイブレークで決まっているんですよね。
お互いに全くサービスゲームを譲らないという白熱(?)の対戦です。人によると思いますが、僕は好きです。
クレーでは初めての対戦となりますが、オペルカが6-3 7-6(7)で勝利を収めました。タイブレークにならなかった!!
これでオペルカは4つ目のタイトル獲得、そしてクレーでは初めてのタイトル獲得となりました。
イズナーからオペルカへ、アメリカのビッグサーバーは受け継がれていく…。世代交代を感じますね。
マラケシュでは、ノーシードのモルチャンが大活躍です。第1シードのアリアシム、第6シードのザンツフープ、第8シードのジェレを破り決勝へ進出しました。
ですがタイトルへは一歩届かず、ノーシードから勝ち上がってきた元世界ランク7位のゴファンに6-3 3-6 3-6で敗れました。
ゴファンはこれで6つ目のタイトル獲得となります。ランキングも70位台まで落ちていたところを47位まで戻しました。更に今大会でツアー300勝達成と、かなり充実した1週間になりましたね。
このままフェードアウトせず、またランキング上位に戻ってきてほしいですね。
[マスターズ1000]モンテカルロ(10日~17日)
クレーのマスターズ第1戦です。ここでもノーシードが大波乱を引き起こしました。
ダビドビッチ=フォキナが2回戦で第1シードのジョコビッチを破ると、続けて前週優勝のゴファン、インディアンウェルズ優勝のフリッツ、ディミトロフを破り決勝へ進出。前年覇者のチチパスと対戦します。
優勝には一歩とどかず、6-3 7-6(3)でチチパスが2年連続モンテカルロを制しました。
チチパスはこれで自身8つ目のツアータイトル、そして2度目のマスターズ制覇を達成しました。
マスターズを複数制覇している現役選手は、当時はジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレー、ズベレフ、メドベデフ、ツォンガの7人だけだったので、チチパスが8人目ということになりますね。
こういうデータを見ると、ますますBIG4の異次元さが際立ちますね…
[ATP500]バルセロナ・[ATP250]ベオグラード(18日~24日)
バルセロナではまたまたアルカラスが存在感を出してきました。モンテカルロを優勝したチチパスを下し、準決勝では第10シードのデミノーに勝利。
決勝ではルードやシュワルツマンといったクレーの強豪たちを倒してきたカレー=ニョブスタを6-2 6-3のストレートで下して優勝を手にしました。
この勝利で自身4つ目のタイトルを獲得、更にはランキングを2つ上げて9位へ。見事TOP10入りを果たしました。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いですね。
ベオグラードでは地元セルビアでのタイトル獲得に燃える第1シードのジョコビッチが登場。決勝まで駒を進めるも、第2シードのルブレフが6-2 6-7(4) 6-0でそれを阻みました。
ルブレフはこれで11度目のタイトル獲得です。着実にタイトル数を積み増していってますね。そろそろビッグタイトルが欲しいところですね。
ジョコビッチは、今大会すべてフルセットを戦い、最終セットでは完全に体力が尽きていました。かつての無尽蔵のスタミナはもうなくなっていて、衰えていることを感じさせますね。
[ATP250]ミュンヘン・エストリル(25日~5月1日)
ミュンヘンでは、アルカラスの活躍に触発されたか、同世代のルーネが大躍進を遂げます。WCで出場すると、2回戦で第1シードのズベレフを6-3 6-2で撃破。そのまま全試合ストレートで決勝まで駒を進めました。
決勝では、第8シードのザンツフープと対戦しますが、第1セット中盤でザンツフープが胸の痛みにより棄権。ルーネが優勝トロフィーを手にしました。
ルーネにとってはこれが初めてのツアータイトル獲得になります。ランキングも70位から45位まで上げる大きな勝利となりました。
エストリルでも若手のノーシードが大活躍。21歳のバエズがチリッチ、ガスケ、ラモス=ビノラスといった名だたる強豪たちを下し、決勝へ進出します。
決勝戦では、これまで全試合フルセットの激闘を制してきた第5シードのティアフォーを6-3 6-2のストレートで下し、見事優勝に輝きました。
バエズにとって初めてのタイトルで、ランキングも59位から40位まで上げました。
ネクストジェンと言われたズベレフやメドベデフらの世代のさらに一つ下の世代の選手たちが続々と名を上げてきましたね。
2023年にはどんな選手が名を上げるか、いまから予想を立てるのも面白そうです。
総括
マスターズ2連戦にクレーシーズン開幕と、かなり濃い2か月でしたね。
特にクレーシーズンは、普段ハードの試合ではなかなか注目を集めない選手が大活躍したりするので、いろいろな選手が見れて楽しいです。
フリッツ、アルカラスは初めてのマスターズ制覇となりました。アルカラスはこの後、グランドスラムも制覇しますが、フリッツはこの一発屋にならずに頑張ってほしいですね。
また、若手ばかりが活躍する中でのゴファンの優勝はとてもうれしかったですね。クレーはパワーとスタミナが必要な分、若手有利かもしれませんが、なんとかベテラン勢にも頑張ってほしいです。
といったところで、今回はここまでです。
また5月以降もまとめていきますので、ぜひお待ちください。ではでは…
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