2023年最初のマスターズ・インディアンウェルズが閉幕しました。
序盤こそルードやチチパスが破れるという大波乱があったものの、後半戦も非常に面白いカードが目白押しで、とても観戦が楽しかったですね。
今回の記事は、そんなインディアンウェルズマスターズの後半戦(4回戦以降)を振り返っていきたいます!
前半の記事はこちら
ドロー(4回戦以降)
ドローが大きくて見にくいので、4回戦以降のカードで制作しています。
準決勝
(1)アルカラス vs (11)シナー
トップハーフを勝ち上がってきたのは、天敵アリアシムを下した第1シードのアルカラスと、前年覇者のフリッツを破った第11シードのシナーです。
ネクストジェンの次世代、よくネクネクジェンなんて言われたりもする、同世代同士の対決となりました。
この二人は昨年あたりから対戦することが多く、毎試合激闘を繰り広げるので、フェデラーvsナダルのようなライバル関係をこの二人に求めているファンも多いと思います。
これまでの対戦成績は2勝2敗で五分。直近は昨年の全米オープン準々決勝でのあの5時間を超える激闘です。アルカラスが6-3 6-7(7) 6-7(0) 7-5 6-3で試合を制しました。
今回の対戦も、両者一歩も譲らないストローク戦を繰り広げていましたが、アルカラスの引き出しの多さが随所で光り、7-6(4) 6-3でアルカラスが勝利を収めました。
シナーも少し前に比べると、ネットプレーやドロップショットといった強打以外の引き出しもかなり増えていますし、ここ最近の成長具合はかなり大きいと思います。
何よりこの二人は試合中のメンタルがかなり安定しているのが魅力ですよね。ネクストジェン世代が比較的精神的に荒れることが多いので猶更そう感じるのかもしれませんが…
この若さでその精神的な強さを兼ね備えているのはやはり才能だと思います。シナーもアルカラスに負けずに、BIGタイトルを、そしてゆくゆくは世界ランク1位にもなれるように頑張ってほしいですね。
(5)メドベデフ vs (14)ティアフォー
ボトムハーフを勝ち上がったのは、ズベレフとのライバル対決を制し、キャリアハイ更新中のフォキナをも寄せ付けなかった連勝中のメドベデフと、2021年覇者のノーリーをストレートで破った地元アメリカのティアフォーでした。
こちらも先ほどと同じくネクストジェン世代の同世代対決となりましたね。
これまでにティアフォーの勝ち星は無く、今回の対戦もメドベデフが終始有利に進めます。セカンドセット5-3 40-0でメドベデフのマッチポイントを迎えましたが、ここからティアフォーが底力を見せます。
マッチポイントを3度凌ぎ、更に6-5 40-0からのマッチポイントもさらに3度凌ぎます。最終的にタイブレークまでもつれ、逆転もあるかと思わされましたが、最終的にはメドベデフがきっちりと仕留めて7-5 7-6(4)で勝利しました。
メドベデフは、今大会かなりコートとの相性が悪く、インタビューやプレスカンファレンスでも散々愚痴をこぼしていましたが、それでも決勝へ進出。19連勝を達成し、4大会連続優勝をかけて決勝へ臨みます。
決勝 (1)アルカラス vs (5)メドベデフ
ハイライト
結果
決勝戦は、今最も強い二人の対戦となりました。このカードを見たいと思っていたファンは、僕以外にもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
今大会第1シードで、怪我で長期離脱していたにも関わらず、復帰後3大会連続で決勝へ進んでいる元1位のアルカラス。
方や19連勝中。ロッテルダム・カタール・ドバイと3大会連続で優勝し、ハードでは誰も寄せ付けない強さを見せつける元1位メドベデフ。
両者とも元世界ランク1位という順当な決勝のカードになりましたが、実はこれまでの両者の対戦は1度しかありません。
それも2021年のウィンブルドンで、ハード・クレーでの対戦は全くなかったんですね。当時はまだアルカラスも本格化していなかったので、メドベデフが6-4 6-1 6-2で勝利を収めました。
どちらが勝ってもおかしくないこのカードでしたが、試合はアルカラスがいきなりメドベデフからブレークを奪うと、そのままアルカラスが常に主導権を握り続けました。
コートが遅いというのもありますが、メドベデフはアルカラスに比べると決定力に欠けて無理攻めをしてミスを重ね、アルカラスはポジションを下げるメドベデフに対してドロップなども織り交ぜながら振り回していきます。
結果は6-3 6-2でアルカラスの圧勝となりました。
この勝利でアルカラスは自身8度目のタイトルを獲得。また、マスターズは昨年のマイアミ・マドリードに続いて3つ目の獲得となりました。
また、ランキングポイントを1000ポイント獲得し、世界ランク1位へ返り咲きました。
今大会1セットも落とさない完璧な優勝でしたね。このままの調子を維持していけば、長期政権を築ける実力は充分にあると思います。怪我だけが本当に心配ですが…
一方のメドベデフも、今大会かなり強さをみせてくれました。よく愚痴っていましたが、今回のコートはかなり遅く、クレーに近いような感覚だったと聞きます。
そんな中、ズベレフやティアフォーといった難敵たちを相手にしっかりと勝ち切ったのは素晴らしいと思います。
次戦マイアミもメドベデフにとっては苦手な部類の遅いハードですが、また勝ち上がっていってほしいですね。
ランキング変動(TOP20)
インディアンウェルズマスターズ後のランキングです。
優勝したアルカラスは1位へ復帰しましたが、昨年のマイアミマスターズ優勝の失効1000ポイントが待っているので、次も優勝しなければ1位を維持することはできません。準優勝以下で再びジョコビッチが1位返り咲きになります。
また、昨年のマイアミで準優勝のルードも600ポイントの失効が待っています。最近早期敗退が続いていますが、そろそろ復調してほしいところですね。
ベスト8のアリアシムがランキングを一気に4つも上げて6位へ。これが自己最高ランクへの返り咲きとなります。
ディフェンドに失敗したフリッツは820ポイントを失い10位へ後退です。やはりランキング維持にはGSでの活躍が少し弱かったですね。
そして昨年準優勝のナダルは600ポイントの失効でランキングは13位まで後退。実に911週にも及んだTOP10連続在位記録がついにここで途絶えることとなりました。
全仏の早期ラウンドでナダルvsジョコビッチ/アルカラスなんてカードは見たくないので、何とかクレーシーズンでポイントを稼いで4位くらいまで戻ってきておいてほしいですね。
まとめ
インディアンウェルズマスターズは、アルカラスがメドベデフを破って優勝ということになりました。前半後半通じてとても濃い内容の試合が多く、とても面白かったと思います。
また、アルカラスの世界ランク1位復帰は素晴らしいですね。まだ19歳とは思えないほど王者の風格が出ていると思います。
ナダルのTOP10陥落はテニス界のビッグニュースだと思います。911週という記録を今後塗り替えることができる選手が現れるのかどうか…
来週からはマイアミマスターズです。アルカラスがサンシャインダブルを達成するのか、メドベデフがリベンジしてくるのか、はたまた別の誰かが優勝するのか。とても楽しみですね。
といった感じで、今回の記事はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
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