2023年クレーシーズンのメインイベント、マスターズ2連戦前の3大会が終わりました。
バルセロナでクレーシーズンに戻ってきたアルカラスや、怪我の影響が危ぶまれるジョコビッチらの結果はどうだったのでしょうか?
早速見ていきましょう!
【ATP500】バルセロナ【バルセロナオープン】
スペインのバルセロナで開催されるATP500大会です。ATP500ではこのバルセロナとワシントンの2大会のみが48ドローとなっており、大きめの大会となっています。
昨年は地元の若手・アルカラスが同郷スペインの先輩・カレーニョ ブスタを下し自身4つ目のタイトルを獲得しました。
アルカラスは2連覇を達成できたのでしょうか?早速みていきましょう。
ドロー
決勝ハイライト
結果
ディフェンディングチャンピオンとして参戦した第1シードのアルカラスは、その強さを遺憾なく発揮し、1セットも落とさずに決勝進出。2連覇への期待がかかります。
ボトムハーフからは、大会第2シードのチチパスがきっちりシードを守り切り決勝へ進出。昨年のQFで敗れたアルカラスへのリベンジに燃えています。
試合は第3ゲームでチチパスが早々にブレークするも、アルカラスが第4ゲームですぐさまブレークバック。拮抗した試合が続くかと思われましたが、第8ゲームでのロングラリーをアルカラスが制しブレーク。そのまま第1セットを奪います。
第2セットもクレーコートならではのアツいラリー戦が繰り広げられますが、アルカラスが得意とする前後への振り回しがチチパスの体力を削ります。
最後はアルカラスのフォアハンドがウイナーになり、6-3 6-4でアルカラスが勝利。自身9個目のツアータイトル、クレーでは6つ目のタイトル獲得となり、バルセロナ2連覇を達成しました。
スコア的にはストレートでしたが、スコア以上に競った試合だったと思います。ただ、アルカラスのドロップを交えたラリー戦が本当に手が付けられないといった感じです。
特にクレーでは、アルカラスの威力のあるストロークに対してポジションを下げざるを得ない中であのドロップを打たれるとどうしようもない感じはします。
今シーズン、アルカラスに勝利しているのはシナーとノーリーだけです。この二人には、アルカラスを止めうる選手として一層の期待がかかりますね。
【ATP250】ミュンヘン【BMWオープン】
ドイツのミュンヘンで開催されるATP250大会です。昨年はザンツフープの棄権によりルーネがATPツアー初めてのタイトルを獲得しました。
2連覇を狙うルーネは今年は第1シードとして参戦です。結果はどうだったのでしょうか。
ドロー
決勝ハイライト
結果
昨年覇者で、第1シードとして参戦しているルーネは今年も好調です。ファンの期待に応え、セットを一つも落とさずに決勝までたどり着きます。
そして、昨年の雪辱を晴らしたい第4シードのザンツフープも絶好調。こちらも1セットも落とさずに決勝へ進みます。
昨年と全く同じ顔ぶれになった決勝。序盤からブレイク合戦が続き、ほぼ互角の戦いを繰り広げます。
ファイナルセットはザンツフープが5-2と大きくリードし、何度もマッチポイントがある中、ルーネがそのことごとくをしのぎ切りタイブレークへ突入。
そのタイブレークをルーネが制し、6-4 1-6 7-6(3)で勝利。自身4つ目のタイトル獲得。そしてミュンヘン2連覇を達成しました。
この試合は、なんというかザンツフープが良いプレーをしているにも関わらずいまだにタイトルが無い理由がなんとなく分かった試合でしたね。
明らかにマッチポイントでのプレーの質が良くなかったように見ていて思いました。大事なところで思いっ切れない姿はかつてのK・アンダーソンを見ているかのように感じました。
逆に言えば、そこを乗り越えたら一気に大舞台で活躍できる可能性が十分にあるということです。
ザンツフープは本当に実力のある選手だと思うので、今後の進化に本当に期待しています。
一方勝ち切ったルーネは偉かったと思います。こんな上から言って申し訳ないですが、正直ルーネは精神的にまだまだ伸びしろがある選手だと思っていたので、2-5になった時点でこのまま自滅して終わりかと思っていました。
ザンツフープのミスに助けられた部分も大きいですが、かなりピンチの場面でも相当落ち着いてプレーしていたように思えます。
こういった精神的な安定感が生まれてくると、更なる好成績が期待できると思います。
【ATP250】バニャ・ルカ【スルプスカオープン】
ボスニア・ヘルツェゴビナのバニャ・ルカで開催されるATP250大会です。
今年から新設された大会で、世界ランク1位のジョコビッチや、先週のモンテカルロで優勝を果たしたルブレフも参戦しています。
バニャ・ルカでの最初のチャンピオンはいったい誰になったのでしょうか?
ドロー
決勝ハイライト
結果
トップハーフからは、クライノビッチ、ジョコビッチ、ケツマノビッチという同郷セルビア対決を制したノーシードのラヨビッチが決勝へ進出。2019年のウマグ以来、3年半ぶりのツアー決勝です。
ボトムハーフからは先週のモンテカルロで念願のBIGタイトルを手にした第2シードのルブレフが1セットも落とさない完璧な勝ち上がりを見せます。
両者の対戦は2019年ウマグ以来2度目。その時はラヨビッチが勝利し、そのまま優勝を果たしています。
開催地のバニャ・ルカはセルビア人国家のスルプスカ共和国の首都です。国籍は違えど同じセルビア人であるラヨビッチの応援に数多くのファンが駆け付けます。
その声援の後押しを受けてラヨビッチが躍動。6-3 4-6 6-4の激闘を制し、3年半ぶり2度目のタイトル獲得となりました。
丁度昨年あたりからランキングを大きく落とし、年齢的にも30を超えてもう厳しいかと思われていた中でのこの優勝は相当うれしかったと思います。
ランキングも一気に30上げて40位になり、TOP50復帰を果たしました。
ランキング変動(TOP20)
大きな変動はありませんが、ミュンヘン優勝のルーネが4000ポイントの大台に乗せてきましたね。
来週は去年のミュンヘンの失効があるので、また3000ポイント台に戻りますが、レースランキングも8位につけてツアーファイナル出場を射程圏内におさめています。
昨年のバルセロナで準優勝したカレーニョブスタの失効により、ポールが17位へ。これがポールの自己最高ランキング更新になります。
また、ムゼッティも18位へ上昇。自己最高ランキングタイにつけています。ひとつ上のポールとは5ポイント差です。まだまだ最高ランキング更新は狙っていけますね。
まとめ
ということで、先週はアルカラス・ルーネ・ラヨビッチの優勝で幕を閉じました。
特にアルカラスとルーネはディフェンディングチャンピオン兼第1シードとして臨んだ大会で、期待通りの結果を出せたことは非常に大きな経験になったと思います。
この二人は将来のテニス界を引っ張っていくTOP選手になるといわれていますが、正直もうそういう存在になってる気がしますね(笑)
そして若手の活躍の中でうれしいベテラン選手の復活です。32歳のラヨビッチが2度目のタイトル獲得ということで、やはりクレーではまだまだ侮れない選手でいてくれそうですね。
いよいよ来週からはマスターズ2連戦です。今年はマドリード・ローマ共に56ドローから96ドローへ拡張されているので、今までとは違った雰囲気になるかもしれません。
マドリードは残念ながらジョコビッチ、ナダルが欠場しますが、2連覇を狙うアルカラスや、復活を目論むズベレフ。モンテカルロ以外のマスターズも狙うチチパスやルブレフらが登場し、まだまだ楽しめそうです。
ドローはこちらから
といったところで、今回はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
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