クレー2つ目のマスターズ、マドリードが幕を閉じました。ジョコビッチ、ナダルの欠場や、チチパス、ルードといったクレー巧者たちの敗退で、アルカラスの2連覇が大きく期待されていました。
結果はどうなったのでしょうか?早速みていきましょう!
ドロー
3回戦まで
4回戦以降
準決勝
(1) C・アルカラス vs B・チョリッチ (17)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/carlos-alcaraz-vs-borna-coric/a0e2/cg80
ディフェンディングチャンピオンとして登場し、連覇の期待がかかる第1シードのアルカラスは、準々決勝で昨年準優勝のズベレフ相手に3ゲームしか落とさず、完璧な勝ち上がり。
準決勝の相手は、クレーマスターズで初めてのベスト4に残った第17シードのチョリッチです。
両者の対戦はこれが初めて。ほとんどのファンはアルカラス勝利を予想していたものの、昨年のシンシナティもそうでしたが、良い時のチョリッチは本当にストロークの質が高いですから、一部のファンからはもしかしたら…という声もありました。
蓋を開けてみれば試合はアルカラス有利に進みます。チョリッチもかなりいいプレーをしていましたが、結果は6-4 6-3でアルカラスの勝利。2年連続でマドリードの決勝へ駒を進めました。
結果的にはセットを失わずに勝利したアルカラスでしたが、少しこの試合でアルカラス対策の方法が見えてきました。“アルカラスが攻める前にリターンとストロークでのゴリ攻め”です。
リターンアタックと、相当高いレベルのストローク力が必要になりますが、それを実現できるシナーなんかはアルカラスと相当いい試合を繰り広げますし、今回のチョリッチも相当攻撃的なプレーをしていて、良い勝負をしていました。
果たしてそのプレーをできる選手がどれだけいるのかという問題は残りますがね…
(LL) J・シュトルフ vs A・カラツェフ (Q)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/jan-lennard-struff-vs-aslan-karatsev/sl28/kc56
ボトムハーフの準決勝はノーシード…どころか予選を戦った二人が勝ち上がります。
予選を勝ち上がり、同胞の第2シードメドベデフをストレートで下してきたカラツェフがマスターズでは初めてのベスト4に進出。
相手は予選2Rでカラツェフに敗北を喫したものの、LL(ラッキールーザー)で本戦入りしたシュトルフです。
シュトルフも初めてのマスターズベスト4です。二人とも安定感は無いものの、爆発した時の強さには定評がある選手です。
どちらがアルカラスに挑むのか、注目の一戦はお互いに一歩も譲らない大熱戦。最後までミスを増やさなかったシュトルフが4-6 6-3 6-4で勝利。自身初めてのマスターズ決勝へ進みました。
シュトルフはこの勝利で、自身キャリアハイランキングの更新が確定しました。33歳にしてこの戦績を残せるとはいったい誰が予想したでしょうか。
また、LLからのマスターズ決勝はこれが史上初めてです。歴史に残る勝利を収めたシュトルフが、ディフェンディングチャンピオンのアルカラスにどのような勝負をするのか、決勝への期待が非常に高まります。
決勝 (1) C・アルカラス vs J・シュトルフ (LL)
ハイライト
結果
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/carlos-alcaraz-vs-jan-lennard-struff/a0e2/sl28
史上初めてLLからマスターズ決勝へ勝ち上がるという偉業を成し遂げたシュトルフは、決勝で2連覇を狙う第1シードのアルカラスと対戦します。
実はこれが3度目の対戦。一昨年の全仏ではシュトルフが勝利。昨年のウィンブルドンではアルカラスが勝利しています。
3セットマッチではこれが初めての対戦。序盤からアルカラスがブレークするも、シュトルフがすぐさまブレークバックするところから試合は白熱していきます。
ストローク戦ではアルカラスに分があると判断したか、シュトルフはストローク戦を避け、サービスダッシュやセカンドアタックからすぐにネットへ出ていきます。
シュトルフは50を超えるネットプレーを挟み、白熱の勝負を繰り広げましたが、最後は6-4 3-6 6-3でアルカラスが勝利。自身10個目のタイトル獲得を果たしました。
また、これでマスターズは4つ目のタイトル獲得。マドリードでは2年連続の優勝となりました。
マスターズ4つのタイトルは、ジョコビッチ(38)・ナダル(36)・マレー(14)・ズベレフ/メドベデフ(5)に次いで、現役では6番目に多くなっています。
今シーズンはこれが4つ目の優勝で、レースランキングも3420ポイントで首位に躍り出ていますし、この後に控える全仏でも優勝最有力候補となるでしょう。
これからどこまでツアーを支配していくのか、BIG4の実績を超えることができるのか。非常に注目が集まっていますね。
ランキング変動
優勝したアルカラスは、昨年のポイントをディフェンド。1位ジョコビッチとの差を5ポイントに縮めて、ローママスターズ以降は1位に返り咲くことが確定しています。
最近安定しているフリッツはローマでの失効も無いため、まだポイントを積み増せます。ルード、チチパスに大きな失効が控えているので、全仏前に大きくランキング変動が起こりそうです。
マドリードでベスト4に入ったチョリッチが16位まで上がっています。
昨年の準優勝者であるズベレフがディフェンドに失敗し、ついにTOP20から陥落しました。2017年4月24日以来ということで、約6年ぶりとなります。
ここからもローマで360ポイント、全仏で720ポイントの失効が控えているので、相当苦しい期間になりそうですね。
まとめ
ということで、クレーマスターズ2戦目、マドリードは前年覇者のアルカラスが2連覇を達成して幕を閉じました。
クレーでのアルカラスはまだまだ手が付けられないような強さを保ち続けていますね。このままローマと全仏も優勝最有力候補となりそうですね。
そろそろこの選手を止められる選手が出てきてほしいところです。
また、33歳のシュトルフがここにきて爆発したのは本当に意外でした。バニャ・ルカで優勝したラヨビッチもそうですが、30歳を超えてから再び存在感を現してくる選手はやっぱり応援したくなりますね。
次のマスターズ、ローマでは今シーズン初めてジョコビッチとアルカラスが同大会に登場します。決勝でこの両者の試合を見てみたいですね。
といったところで今回の記事はここまでです。
また、別の記事でお会いしましょう~
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