クレー最後のマスターズ・ローマが幕を閉じました。久々に世界ランキング1位・2位のジョコビッチとアルカラスが同大会にエントリーしていました。
トップ2シードの直接対決が期待される今大会の中、優勝したのは誰もが予想していなかった選手でした。早速結果を振り返っていきましょう!
ドロー
3回戦まで
4回戦以降
準決勝
(7) H・ルーネ vs C・ルード (4)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/holger-rune-vs-casper-ruud/r0dg/rh16
ディフェンディングチャンピオンで第1シードのジョコビッチを下した第7シードのルーネは、準決勝で相性最悪の第4シード・ルードと対戦します。
ここまでの対戦は4回あり、すべてがクレーコートの対戦となっています。そして、その全てがルードの勝利となっています。なんなら、セットすら一つしか奪えていません。
まさにルーネにとっては天敵と呼べる存在ですが、この日のルーネは一味違いました。ルードのバックハンド攻めに対して、ループボールも混ぜながらじっくり粘ります。
そして甘くなったところをしっかりフォアで強打。ドロップも混ぜながら、ルードを走らせます。
最後はルードのバックハンドがアウト。6-7(2) 6-4 6-2でルーネがルードに初勝利を収めました。
これまでのルーネは、技術力は高いものの精神的な不安定さが足を引っ張っている印象を受けましたが、今年のクレーシーズンはそういったそぶりがあまり見られません。
ランキングも順調に上げていますし、レースも7位につけています。マスターズ2勝目や、最終戦初出場も全然見えてきそうですね。
(3) D・メドベデフ vs S・チチパス (5)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/daniil-medvedev-vs-stefanos-tsitsipas/mm58/te51
ボトムハーフの準決勝はライバル対決。メドベデフvsチチパスの対戦はこれが12度目になります。これまでの11戦はメドベデフから7勝4敗。クレーコートでの対戦は1勝1敗となっています。
メドベデフは自他共にクレーが全くできないという評価でしたので、この対戦もチチパスが勝利するとほとんどの方が予想していたと思います。
ところがふたを開けてみたらメドベデフがとても強かったです。攻撃するところはしっかりと攻撃したうえで、本来の守備力もいかんなく発揮。そのプレーを相手に、セット後半にチチパスが崩れます。
そのまま7-5 7-5でまさかのメドベデフが勝利。クレーコートの大会ではバルセロナに次ぐ自身2度目の決勝戦へ駒を進めました。
今大会のメドベデフは、特にフォアハンドを打つときにいつもよりポジションが上がっているように感じますね。更に、どうやら今年からストリングを反発の強いものに変えたのだそう。
このあたりが攻撃力上昇に寄与して、今シーズンの低速ハードやクレーでの好成績につながっているのかもしれませんね。
このレベルになってもまだ進化するとは、ほんとスポーツの世界って極めようと思ったら際限が無いですね…
決勝 (7) H・ルーネ vs D・メドベデフ (3)
ハイライト
結果
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/daniil-medvedev-vs-holger-rune/mm58/r0dg
今年のモンテカルロでは2度目のマスターズ獲得を逃したルーネに再びチャンスが巡ってきました。相手は、初めてのクレーマスターズ決勝へ駒を進めた第3シードのメドベデフです。
両者の対戦はこれが2度目になります。前回の対戦は今年のモンテカルロの準々決勝で、その時はルーネが6-3 6-4のストレートでメドベデフを下しています。
今回の対戦は、ほぼ互角の戦いが繰り広げられます。流れが変わったのはセット終盤。5-5でメドベデフがキープして6-5。次のルーネのサービスゲームで、メドベデフがぐっとギアを上げます。
ルーネがそれに耐えきれずにメドベデフがブレーク。セカンドセットも同じような展開で、最後はメドベデフが7-5 7-5で優勝を果たしました。
これがメドベデフにとっての20個目のタイトル。マスターズは6つ目の獲得です。そして、クレーコートでは初めてのタイトル獲得となりました。
前評判では、まさかメドベデフが優勝するとは夢にも思っていませんでしたが、やはり勝負はやってみないとわからないですね。
この勝利で、ランキングは2位へ浮上。更にはレースランキングも2位アルカラスと800ポイント以上差をつけて首位へ躍り出ました。
これも珍記録だと思いますが、これまでの20個のタイトルが全て違う大会というのも面白いですね。調べてないのでわかりませんが、こんな記録持ってるのはメドベデフしかいなさそうです。
そして地味にゴールデンマスターズ達成も視野に入ってきています。これまでは低速コートが全くダメだったので達成不可能だと思われていましたが、ローマで優勝できるとなると話は変わってきます。
残っているマスターズはインディアンウェルズ・モンテカルロ・マドリードの3大会。インディアンウェルズは今年決勝まで進んでいるので、獲得は時間の問題ですし、マドリードはクレーの中ではまだ早い方なので、チャンスは全然あると思います。
鬼門はモンテカルロでしょうが、ここまできたらジョコビッチに次ぐ二人目のゴールデンマスターズ達成を果たしてほしいですね。
ランキング変動(TOP20)
昨年のローマで優勝したジョコビッチはディフェンドに失敗し、820ポイントのマイナスで3位まで後退しました。
繰り上がりで再びアルカラスが1位へ返り咲きです。今年は1位の入れ替わりが非常に激しいですね。
そこに割り込んできたのが、今回優勝したメドベデフです。1000ポイントを増やし、ジョコビッチを抜いて2位へ浮上してきました。
レースポイントは4300ポイントで首位。最終戦出場はほぼ確定と言っていいでしょう。
ローマで準優勝したルーネは一つランキングを上げて6位へ。自己最高ランキングを再び更新しました。
今週のこのランキングが全仏でのシードになるので、第1シード・アルカラス、第2シード・メドベデフが確定しました。
ジョコビッチが第3シードになってしまうので、どちらの山に入るのかでドローの雰囲気がかなり変わりそうです。
まとめ
ということで、ローママスターズはメドベデフの優勝で幕を閉じました。
記事内でも触れましたが、メドベデフがまさかクレーマスターズで優勝するとは夢にも思っていませんでした。
しかもチチパスやルーネといった強豪たちを倒しての優勝ですので、本当にクレーでの適正が上がっているということなんでしょう。
今年はアルカラスとジョコビッチの1位争いシーズンかと思いましたが、ここにメドベデフが入って3世代をまたいだトップ争いが見れるとなると、またさらに面白くなってきそうですね。
さて、いよいよクレーでのビッグイベントは全仏オープンを残すのみとなりました。
今週はその全仏前最後の前哨戦、ジュネーブとリヨンが開催されます。いい形で全仏に入れるのは一体どの選手になるのでしょうか。
といったところで今回の記事はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
コメント