2023年のグランドスラム第2戦、そしてクレーシーズンのラストイベントを飾る全仏オープンが閉幕しました。
全仏において過去最多14回の優勝を誇る絶対王者のナダルが欠場し、誰が優勝するか読めなかった今大会。果たして誰が優勝したのでしょうか。早速振り返っていきましょう!
ドロー(4回戦~)
決勝ハイライト
結果
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/novak-djokovic-vs-casper-ruud/d643/rh16
トップハーフを勝ち上がったのは過去22度のグランドスラム優勝を誇り、ここ全仏でも2度の優勝を果たしている大会第3シードのジョコビッチ。
準決勝で大会第1シードで優勝候補筆頭のアルカラスを下し、グランドスラム優勝数歴代最多の23勝に向けて気合充分です。
ボトムハーフからは、昨年の全仏全米2つのグランドスラムで準優勝に輝いた大会第4シードのルードがズベレフに圧勝し決勝へ進出。
自身3度目のグランドスラム決勝で、初優勝を狙います。
これまでの対戦成績はジョコビッチから4勝0敗。実力、経験、対戦成績という観点からほとんどがジョコビッチ優勢とみていました。
試合序盤はその予想を裏切りルードがロケットスタート。スピンの効いたループボールを軸にジョコビッチから先制しゲームカウント4-1までリード。
ただここからが強いのがジョコビッチ。ルードが攻め疲れたか、少しプレーレベルが落ちたところを突いてブレークバック。4-4まで戻しそのままタイブレークに。
このタイブレークでギアを上げたジョコビッチはタイブレークを制すると、そのままの流れでセットを連取。7-6(1) 6-3 7-5のストレートで勝利しました。
この勝利で、ジョコビッチはアルカラス、メドベデフを抜き再び世界ランキング1位へ返り咲きます。また、レースランキングでも4745ポイントで首位に躍り出ました。
優勝したジョコビッチが達成した記録
ジョコビッチが2023年全仏を制したことにより達成された偉大な記録をまとめていきます。
- グランドスラム優勝回数単独歴代最多:23勝
- トリプルグランドスラム:すべてのグランドスラムを3回優勝する
- ツアータイトル歴代3位タイ:94勝でレンドルとタイ
- 全仏オープン最年長優勝:36歳6日
順番に見ていきましょう。
グランドスラム優勝回数単独歴代最多
グランドスラムで優勝した回数が今回の全仏で23回となり、男子テニス界では歴代最多。女子を合わせるとセレナ・ウィリアムズと並びました。
内訳は
- 全豪:10勝(歴代最多)
- 全仏:3勝(歴代3位タイ)
- ウィンブルドン:7勝(歴代2位)
- 全米:3勝(歴代5位)
となっています。かなりインフレしていて感覚がマヒしていますが、本来グランドスラムは1回でも優勝すれば歴史に名を遺す偉業です。
通常のツアータイトルを20以上獲得することすら困難なのに、グランドスラムだけで23勝するのは本当に頭がおかしい(誉め言葉)です…
ちなみに、男女合わせてグランドスラム優勝回数最多はマーガレット・スミス・コートの24勝となります。あくまで参考までに
トリプルグランドスラム
全ての4大大会を制覇することを『グランドスラムを達成する』と言います。歴代でも達成者は少なく、オープン化以降はロッド・レーバー、ロイ・エマーソン、アンドレ・アガシ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、そしてジョコビッチの6名しかいません。
中でもすべてのグランドスラムを3回以上制覇したのはジョコビッチだけとなります。
ちなみに女子シングルスも含めると、セレナ・ウィリアムズ、マーガレット・スミス・コートは各大会3勝以上。シュテフィ・グラフは各大会4回以上優勝しています。この人たちほんま…
ツアータイトル歴代3位タイ
この全仏の優勝で、ツアータイトルは94勝目となりました。これは109勝のコナーズ、103勝のフェデラーに次ぎレンドルと並ぶ歴代3位の記録になります。
中でもジョコビッチのタイトルの内訳がすさまじく、94勝の内67勝がマスターズやグランドスラムといったビッグタイトルとなっています。ビッグタイトル67勝はもちろん歴代1位となっています。
このままコナーズの109勝を超えることはできるのでしょうか。
もう36歳なので全ての大会に全力をかけることは難しくなってきていると思いますが、まだまだ勝ちに行った大会で勝てる力はあるので、100勝は超えてきそうな気がしますね。
全仏オープン最年長優勝
あまり注目されていませんが、意外と大きな記録だったりします。全仏オープンでの記録はほとんどがあのナダルで埋め尽くされている中でのジョコビッチの記録がこれになります。
昨年ナダルが優勝して最年長優勝・35歳11ヵ月という記録を打ち立てたその翌年に塗り替えました。
正直誕生日の差でしかなかったりもするんですが、全グランドスラムの中でも歴代4位となる年長優勝記録です。
もうアラフォーにもなってグランドスラムを優勝できる力がある、それもスタミナが必要なクレーコートでとなると、得意コートであるウィンブルドンや全豪はあと数年は優勝できそうですね。
最年長記録は37歳1ヵ月で全豪を優勝したローズウォールです。これを超えれるのでしょうか。答え合わせは約1年後にできそうですね。
ランキング変動
優勝したジョコビッチは1640ポイントを増やし世界ランキング1位へ再び戻りました。
ベスト8に残ったハチャノフは180ポイントを増やし10位へ。TOP10への復帰は2019年10月以来の約3年半ぶりとなります。
ナダルが昨年優勝分の2000ポイントを失い、136位まで下がりました。繰り上がりでポール、ムゼッティが最高ランキングを更新。
4回戦まで勝ち上がったセルンドロは大きくランキングを上げて自己最高の20位へ。初のTOP20入りとなります。
まとめ
ということで、2023年全仏はジョコビッチの優勝で幕を閉じました。23度目のグランドスラム優勝や、トリプルグランドスラム等、偉大な記5録が今回も達成されました。
内容的にも、失ったセットはハチャノフとアルカラスに一つずつで、フルセットにもつれた試合すらありませんでした。
アルカラス戦の序盤2セットはBIG4同士の対戦を見ているかのようなアツさでしたが、アルカラスの身体が持ちませんでした。
やはりBIG4は異次元の存在だということを改めて実感させられましたね。
ということで、今回の記事はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
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