今年最後のグランドスラム・全米オープンが終了しました!
2023年はここまで、全豪:ジョコビッチ・全仏:ジョコビッチ・ウィンブルドン:アルカラスが優勝しており、ランキング的にもジョコビッチとアルカラスの2強状態が続いています。
この二人の牙城を崩す選手は現れるのか!?全米の結果を振り返っていきましょう!
前回の記事はこちら↓
2023年全米オープンもついに後半戦!ベスト8に残ったのは!?【テニス観戦記】
ドロー(準決勝まで)
トップハーフ
ボトムハーフ
準決勝
(1) C・アルカラス vs D・メドベデフ (3)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/carlos-alcaraz-vs-daniil-medvedev/A0E2/MM58
トップハーフの準決勝は、過去のチャンピオン同士の対戦となりました。
ディフェンディングチャンピオンのアルカラスは、準々決勝で2020年準優勝者のズベレフを一蹴して準決勝の舞台へ勝ち残りました。
対するは2021年でジョコビッチの年間グランドスラムを阻み優勝した世界ランク3位のメドベデフ。
この二人の対戦はこれが4度目。直近の対戦は今年のウィンブルドンの準決勝です。
前回の対戦はアルカラスの一方的な展開で、6-3 6-3 6-3のストレートで勝負が決しています。
ポジションを下げるメドベデフに対して、ドロップを上手く使うアルカラスはまさに天敵のような存在で、今回もアルカラス勝利だとだれもが思ったと思います。
ところが蓋を開けてみると予想とは違った流れに。メドベデフはしっかりアルカラス対策をしていたようです。
試合を通して、セカンドでも少しリスクを負っていいサーブから攻めて、アルカラスに攻められる前に自分から先に攻めるという戦略を取ったようです。
プレーの質も非常に高く、ことごくボールがライン上に入り、カウンターの精度も非常に高く維持していました。
ラリー戦では分が悪いアルカラスは、サービスダッシュなどのネットプレーを交えて応戦しますが、最後まで最高のプレーを続けたメドベデフが勝利。
7-6(3) 6-1 3-6 6-3でメドベデフが全米オープン3度目の決勝へ駒を進めました。
ジョコビッチ・アルカラスの2強状態かと思われましたが、ハードコートではまだまだこの男も食らいついていけそうですね。
B・シェルトン vs N・ジョコビッチ (2)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/ben-shelton-vs-novak-djokovic/S0S1/D643
今シーズンすべてのグランドスラムで決勝に進出し、この全米では過去3度の優勝を誇る絶対王者のジョコビッチは、地元アメリカのエース・フリッツを一切寄せ付けずに準決勝進出。
対するはティアフォーとのアメリカ勢対決を制し、20歳という若さで自身初めてのグランドスラムベスト4に残ったシェルトンです。
シェルトンは左利きから繰り出される230km/hを超えるビッグサーブと、そこからのパワフルなストロークが武器の選手です。
参考までに、シェルトンは3回戦のカラツェフ戦は26本・4回戦のポール戦は16本・準々決勝のティアフォー戦では14本のサービスエースをたたき出しています。
ですが、そのビッグサーブも歴代最高のリターナー・ジョコビッチには効果が薄く、3セットでサービスエースはわずか5本にとどまりました。
ストローク戦でも、ジョコビッチは徹底してシェルトンのバックハンドを狙い、容赦無く攻め立てていきます。
結果はジョコビッチの6-3 6-2 7-6(4)のストレート勝利。まさに格の違いを見せつけた、そんな試合だったと思います。
これでジョコビッチは自身10度目の全米決勝へ駒を進めました。グランドスラムというくくりで見ると、これが36回目の決勝進出です。
ちなみに出場回数が72回ですので、これまで出場したグランドスラムの半分で決勝進出というなかなかおかしい回数になっています。
この男はどれだけ異次元の記録を残せば気が済むんでしょうかね…
決勝 (3) D・メドベデフ vs N・ジョコビッチ (2)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/daniil-medvedev-vs-novak-djokovic/MM58/D643
決勝戦にふさわしい対戦となりました。2011・2015・2018年の覇者ジョコビッチと、2021年覇者のメドベデフが激突します。
両者の対戦はこれが15回目。ジョコビッチから9勝5敗という対戦成績です。
ジョコビッチが勝ち越しているものの、今年のドバイでの直近の対戦はメドベデフがストレート勝利しています。
更にメドベデフが優勝した2021年の決勝の相手は、年間グランドスラムが懸かっていたジョコビッチでした。
本当にどちらが勝ってもおかしく無いこの勝負でした。
試合開始早々から、ジョコビッチはかなりアグレッシブに攻撃を仕掛けます。
メドベデフはかなり守備力が高く、中途半端な攻めは効果が無いので、思い切った攻めの姿勢から入ります。それに押されてメドベデフは第2ゲームでいきなりブレークを許します。
そのリードを守ったジョコビッチが1stセットを先取します。
2ndセットもジョコビッチが果敢に攻めますが、メドベデフは強力なサーブを軸になんとかキープし続けてタイブレーク勝負に。
セット後半は少しジョコビッチの攻めの手が緩まり、メドベデフが優勢かと思われましたが、ジョコビッチはサーブ&ボレーもうまく取り入れてそのタイブレークを奪取。
100分を超える2ndセットを取ったことで、流れは一気にジョコビッチに。
3rdセットもその流れを手放さず、ジョコビッチ優勢のまま試合が進み、最後はメドベデフのフォアハンドがネット。
6-3 7-6(5) 6-3でジョコビッチが勝利を収めました。
この勝利により、ジョコビッチはグランドスラム24勝目をマーク。
オープン化以降では男女を通じて最多。オープン化以前を入れると、マーガレット・コートの24勝に並んでの最多記録となります。
更に、36歳3か月での全米オープン優勝はジョコビッチが歴代最高齢記録。
全てのグランドスラムを見ても、これより高齢での優勝は
- 全豪オープン:K・ローズウォール(37歳1ヵ月)
- 全豪オープン:R・フェデラー(36歳5ヵ月)
- 全豪オープン:K・ローズウォール(36歳4ヵ月)
の3つのみとなっています。
来年の全豪で優勝すれば歴代2位に、来年の全米で優勝すれば歴代1位になります。
こちらもなかなかとんでもない記録になりますね。
これで今年行われた4つのグランドスラムの内、3つをジョコビッチが制覇して、更にランキング、レースランキング共に首位に躍り出ました。
まだまだジョコビッチの支配力は衰えませんね。このジョコビッチがどれだけ記録を伸ばせるか、はたまた誰かが止めるのか。
また来年のグランドスラムが楽しみになってきましたね。
ランキング変動
TOP20
優勝したジョコビッチは2000ポイントが丸々加算され、再び世界ランキング1位に戻りました。
1位が10,000ポイントを超えるのは久々ですね。
2位アルカラスとのポイント差は3000を超えて、しばらくはジョコビッチの1位が続きそうです。
昨年準優勝だったルードは大きく失効し、ランキング9位に下落。
そして今年ベスト8に入ったズベレフがようやくTOP10に復帰してきました。なかなか大きな怪我でしたが、あっという間にここまで戻ってきましたね。
やはり地力の高さが伺えます。
そして、ノーシードからベスト4に入ったシェルトンはランキングを28も上げてTOP20入りを果たしました。
シェルトンは今シーズングランドスラム以外ではほとんど活躍しておらず、マッチ勝利数は17。その内グランドスラムで9勝・ツアーで8勝(内チャレンジャー2勝)というなかなか類を見ない勝利数です。
グランドスラムでのポイントの大きさと、その重要性が良く分かりますね。
レースランキング
- N・ジョコビッチ 8945pt Q
- C・アルカラス 8175pt Q
- D・メドベデフ 6590pt Q
- J・シナー 4365pt
- A・ルブレフ 3640pt
- S・チチパス 3570pt
- H・ルーネ 3055pt
- A・ズベレフ 3030pt
- T・フリッツ 3010pt
- C・ルード 2625pt
ポイント差を見ても、ジョコビッチ・アルカラスの2トップ。それに追い縋るメドベデフの3強状態が見えてきますね。
そしてその3名はすでにツアーファイナル出場は確定しています。
シナーもそれ以下とはポイントを結構離しているので、こちらもほぼファイナル出場は確定かと思います。
ルーネ・フリッツ・ズベレフの3名のポイント差が非常に小さく、もし欠場者が居なければ今のところこの3名の内誰かは出場できないので、少しでもポイントを稼いでおきたいところですね。
まとめ
といったところで、今回の記事はここまでです。
これで今年のグランドスラムはすべて終了しましたが、結局ジョコビッチでしたね。
2018年にひじの怪我から復活したときには、もうフェデラーとナダルには追いつけないと思いましたが、あれよあれよという間に24勝まで積み重ねてしまいましたね。
ここから先は前人未踏のエリアです。どこまでジョコビッチの記録が伸ばせるのか、期待しています。
ではまた、別の記事でお会いしましょう~
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