2022年全米オープンが閉幕しました。番狂わせや激化する世界ランク1位レースなど、かなり見どころの多かった大会だったなと思います。
今回は、結果と後半戦の振り返りをしていきたいと思います。
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ドロー&結果
というわけで、優勝したのは第3シードの19歳、C・アルカラスでした。
19歳4か月での全米優勝は、1990年全米オープンを19歳1か月で制したP・サンプラスに次いで二番目に若い記録となります。
また、この優勝でアルカラスは世界ランキング1位になることが確定しました。これまで100人以上のチャンピオンがいる中、10代でその座に到達したのはアルカラスが初めてです。
そしてもう一つ特筆すべき記録は、今大会でのオンコートでプレーした時間です。
1回戦から決勝まで述べ23時間39分もの時間をコートで戦いました。これは全グランドスラムでの最長記録となります。アルカラスのタフさが分かる記録ですね。
では、後半戦の各試合を振り返ってみていきましょう。
準決勝
(5)C・ルード vs (27)K・ハチャノフ
準々決勝でN・キリオスをフルセットの激闘の末破った第27シードのK・ハチャノフは、第5シードのC・ルードと対戦します。
結果はルードから、7-6(2) 6-2 5-7 6-2で、ルードが決勝戦に進出しました。
世界ランク1位を目指すルードは、この試合最初から最後まで非常に高い集中力を維持していました。
5セットマッチだと、どこかで気持ちが切れる時間が生まれるものですが、今大会のルードにはあまりそれが見られませんね。
試合にしっかり入り込み、ハチャノフの破壊力抜群なストロークにも食らいつき、時にはカウンターショットも使いつつ勝利をつかみ取りました。
ルードは今年の全仏オープンに続いて、2度目のグランドスラム決勝戦に進出し、いよいよ世界ランク1位まであと1勝まで迫りました。
一方敗退を喫したハチャノフですが、やはり彼の爆発力には目を引かれるものがあるなと思いました。
強力なサーブとバズーカのようなフォアハンドでがしがし点を取っていくのは見ていて気持ちがいいです(笑)
今大会の活躍で、ランキングは一気に13も上げて18位に浮上しました。
安定して勝ち続けるのは難しいかもしれませんが、時折こういった爆発力を見せてツアーで暴れまわってくれると、さらにテニス観戦が面白くなっていきそうですね。
(3)C・アルカラス vs (22)F・ティアフォー
準々決勝で、J・シナーのマッチポイントをしのぎ勝ち上がってきた第3シードのC・アルカラスは、ナダルを倒しノリにノっている地元アメリカのF・ティアフォーと対戦します。
結果は6-7(6) 6-3 6-1 6-7(5) 6-3で、4時間19分の激闘をアルカラスが制しました。
4回戦ではチリッチと、準々決勝ではシナーとフルセットを戦っているアルカラスですが、体力が尽きる気配はなく、この試合でもコートの端から端まで走り回っていましたね。
パワーのあるストロークに、怪物のようなコートカバーに、センス溢れるドロップショット、ピンチでも臆さない強メンタルと、王者になっても誰も文句が言えないようなプレーを続けています。
もう一つ触れておきたいのが、準々決勝、準決勝ともにフルセットでしたが、落としたセットはすべてタイブレークなんですよね。
サーブそのものの質が高いというよりは、サーブ後の展開も含めてサービスゲームの質が高いという印象を受けます。
対戦相手からすると、ブレーク先行できないという状況はかなりメンタルへの負荷が高いので、そこもかなりアルカラスの強い部分かもしれませんね。
一方、惜しくも負けてしまったティアフォーですが、こちらもかなり可能性を感じさせるプレーを見せてくれていました。
個人的に、ティアフォーもポテンシャルは高いけどプレーの質が高い時間が短いという印象でしたが、今大会4回戦のナダル戦以降はずっと質の高いプレーをしています。
ジュニアの頃に一緒に練習してもらったこともある憧れのナダルに大舞台で勝利したという経験は、ティアフォーの成長への大きな一歩になると思います。
この大会のプレーが続けば、トップ10に入っていくのも全く夢ではないと感じました。
今大会の活躍で、7つ世界ランクを上げ自身最高位の19位になりました。
最近のテニス界は欧州勢がトップを独占していますが、またアメリカ勢が上がってくるとレーバーカップなんかももっと面白くなると思うので、フリッツらとともに頑張っていってほしいですね。
決勝戦 (3)C・アルカラス vs (5)C・ルード
決勝戦は第5シードのC・ルードと第3シードのC・アルカラスが激突しました。
両者とも初めてのグランドスラム制覇と世界ランク1位を争うとてもアツい対戦カードになりました。
結果はアルカラスから6-4 2-6 7-6(1) 6-3で勝利を手にしました。
アルカラスは流石に4回戦からの連続フルセットで体力的に厳しそうで、2セット目ではかなりミスを増やしていましたが、セットを落とした後の切り替えもすごかったですね。
第3セットではルードのセットポイントもあったもののしっかり凌いで、タイブレークでは怒涛の7ポイント連取していました。
初めてのグランドスラム決勝にもかかわらず緊張などは見られず、ここまでの勢いを落とさずしっかり勝ち切っていきましたね。
BIG4級の選手がついに来たか、と思わせるような完璧な優勝を見せてくれました。
ここで勢いを落とさず、さらにビッグタイトルを獲得していってほしいですね。
そして、全仏に続いて2度目の準優勝となったルードですが、クレーコーターというイメージを払しょくする素晴らしいプレーを見せてくれましたね。
過去の記事にも書いたと思いますが、バックハンドの精度が上がっているのが、ハードコートでの勝率アップにかなり寄与していると思います。
ビッグタイトルでは、マイアミマスターズ、全仏に続き3度目の準優勝と、なかなかタイトルに恵まれていないですが、今後のマスターズ、そしてグランドスラムでもまだまだチャンスはいっぱいあると思います。
決勝でもノットアップ(ツーバウンド)を自ら申告するというスポーツマンシップにあふれた行動をしたり、ルードのファンもかなり増えたのではないかなと思います。
個人的にもかなり応援している選手なので、今後の活躍にもさらに期待していきたいですね。
まとめ
というわけで、今年のグランドスラムすべてが終了しました。全豪全仏はナダルが、ウィンブルドンはジョコビッチが獲得し、まだBIG4が活躍する中、全米では19歳のアルカラスが新時代の幕開けを予期させる活躍を見せてくれました。
アルカラスが最年少ナンバーワンに輝きましたが、ランキングポイントは6740と、6位のチチパスと約2000ポイント差しかありません。
ちなみに、2016年6月のナンバーワンだったジョコビッチは16950ポイントで、同じ1位でも10000ポイント以上の差があります。
まだまだ群雄割拠の時代が続きそうですね。
そして、いよいよシーズン終盤戦。ATPツアーファイナル出場権を争うレースが激化していきます。
アルカラス、ナダルがすでに出場権を獲得しており、レースランキング3位以降はルード、チチパス、メドベデフ、ルブレフ、オジェ=アリアシム、ズベレフと続いています。
今後はこのあたりも注目してツアーを追っていきたいですね。
といったところで、今回の記事はここまでです。
今後もいろいろな記事を書いていくので、こういう記事が読みたいといったコメントがあれば、どしどし書いていってください!
では、また次回の記事でお会いしましょう~
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