2023年シーズンの第9週の結果を振り返ってみましょう。
ドバイでは全豪で負ったハムストリングスの負傷から復帰したジョコビッチが復帰し、かなり豪華な顔ぶれに。
一方のアカプルコでは、先週のリオの決勝を戦ったアルカラスとノーリーが欠場し、一気に穴場の大会に。
そしてその裏ではひっそりと超穴場のATP250が開催。果たして結果はどうだったのでしょうか。
【ATP500】ドバイ【ドバイテニス選手権】
アラブ首長国連邦(U.A.E.)のドバイで開催されるATP500大会です。
待遇が良く、賞金総額もATP500の中では2番目に多い大会なので、TOP選手が毎年かなり集まります。
歴代優勝者を見ても、BIG4やワウリンカ、ロディックといったグランドスラマー達の名前が並んでいます。
昨年はルブレフがべセリーを下して優勝しています。今年はどうだったのでしょうか?
ドロー
決勝ハイライト
結果
ロッテルダム、カタールと2週連続優勝中の絶好調のメドベデフが準決勝でジョコビッチを下し、決勝へ進出。勢いが止まりません。
ボトムハーフからは、昨年優勝のルブレフがこれまで全敗のズベレフに勝利し、決勝へ駒を進めました。
決勝では、これまでにない程の多彩な攻めを見せるルブレフに対し、メドベデフが全てを守り切り6-2 6-2で勝利しました。
これで3週連続優勝です。昨年後半はパッとしない成績でしたが、ここにきて大復活を果たしましたね。
これがメドベデフにとって18個目のタイトル獲得です。面白いのは、この18すべてが違うタイトルで、2度優勝した大会が無いことなんですよね。ほんとうに謎です。
また、ランキングも6位まで戻ってきました。正直この強さなら、ジョコビッチ、アルカラスと1位争いができるレベルだと思います。ますますアルカラスvsメドベデフの試合が待ち遠しいです。
一方破れたルブレフですが、2回戦でMPを5本凌いだり、準決勝ではこれまで全敗のズベレフに勝利したりと、非常に充実した1週間だったと思います。
ATP500での強さは類を見ないものがあるので、これがマスターズやグランドスラムにも出れば、ビッグタイトル獲得も全然夢じゃないと思います。
サンシャインダブルが非常に楽しみですね!!
【ATP500】アカプルコ【メキシコオープン】
メキシコのアカプルコで開催されるATP500大会です。
移動距離的な問題で、南米クレーに出場した選手がそのままこのアカプルコにエントリーすることが多く、過去の優勝者も、フェレールやデルポトロ、ティエムといった選手たちが並びます。
昨年はナダルがノーリーとの左利き対決を制し、大会4度目のチャンピオンに輝きました。今年はどうだったのでしょうか。
ドロー
決勝ハイライト
結果
トップハーフからは、準決勝で同胞のフリッツとの3時間半もの痙攣あり、嘔吐ありの激闘を制したポールが決勝まで駒を進めました。
ボトムハーフは、第2シードのルードが早々に姿を消し、デミノーとルーネの準決勝に。これまでの2度の対戦ではルーネが勝利していましたが、デミノーがリベンジを達成。ATP500では3度目の決勝へ進出。
決勝ではポールが先行するも、準決勝の疲れからか後半は繊細を欠き、デミノーが逆転。3-6 6-4 6-1でデミノーが勝利しました。
デミノーはこれが7つ目のタイトル獲得。また、ATP500シリーズではこれが初めてのタイトル獲得となります。
この勝利でランキングも4つ上げて18位へ浮上。2021年8月以来の10位台への復帰となりました。
一方のポールもいいテニスをしていましたね。全豪ベスト4で一皮剥けたのかもしれません。
試合を見ていても、角度の使い方・ネットの使い方がとても上手かったですね。まさに最近のプレーのお手本的なテニスで、とても参考になる部分が多いと思います。
今回の準優勝でこちらもランキングを4つ上げて19位に浮上しました。今年稼いだレースポイントも4位になっています。
このペースでいくと、年末にはTOP10に入っていてもおかしくないかもしれないですね。
【ATP250】サンティアゴ【チリオープン】
チリのサンティアゴで開催されるATP250大会です。
同週にATP500が2大会開催されるので、穴場大会となっていますね。正直存在感が薄いです。
今回も第1シードが18位のムゼッティとなっていて、ドバイ・アカプルコと比べるとポイントが稼ぎやすい大会となっていますね。
昨年はマルティネスがバエズを下してツアー初優勝を飾りました。今年はどうだったのでしょうか。
ドロー
決勝ハイライト
結果
トップハーフは、第1シードのムゼッティを破ったムナルと、第4シードのシュワルツマンを破ったジャリーが準決勝で激突。
過去の対戦ではジャリーが勝利していて、今回もジャリーがフルセットの末勝利。地元チリの大会で2019年以来のツアー決勝へ駒を進めました。
一方のボトムハーフは第2シードのセルンドロを破った23歳のエチェベリーと、第3シードのバエズのアルゼンチン勢対決となりました。
過去の対戦ではバエズが勝利しているものの、今回はエチェベリーがリベンジ達成。自身初のツアー決勝への進出となりました。
決勝は、両者一歩も引かない激闘で第2セットまではほぼ互角でしたが、ファイナルセットは地元の声援を受けるジャリーが一気に引き離し、6-7(5) 7-6(5) 6-2でジャリーが勝利。
2019年のバスタード以来となる自身2度目のタイトルを獲得しました。
この勝利で、ランキングを一気に35も上げて52位へ浮上。TOP50復帰まであとわずかとなりました。
先週のリオでもベスト4に入っていますし、今シーズン非常に好調です。4月からのクレーシーズンでも活躍してくれること間違いなしですね。
一方破れたエチェベリーも、ランキングを15上げて61位へ浮上。これが自己最高ランキングとなります。
昨年はチャレンジャーレベルが主戦場でしたが、いよいよツアーレベルをメインに回れそうですね。
同じアルゼンチンの同世代、22歳のバエズや、24歳のセルンドロらと共に切磋琢磨して、腕を磨いていってほしいですね。
ランキング変動(TOP20)
メドベデフは3週連続優勝により、ランキングを6位まで戻してきました。サンシャインダブルの結果次第では、再びTOP4返り咲きもおかしくない強さのプレーを見せてくれていましたね。
ルーネも順調にランキングを伸ばし、自己最高の8位へ浮上です。
そして9位まで落ちてしまったナダルですが、インディアンウェルズの欠場が確定したので、昨年準優勝の600ポイントが丸々失効。TOP10落ちが確定してしまいました。
900週以上も続いたTOP10連続在位記録もここまでとなります。またクレーシーズンで復活するとは思いますが、こういった記録が終わってしまうのは、時代の流れを感じさせられますね。
そしてアカプルコの決勝を戦ったデミノーとポールはTOP20に復帰してきました。特にポールは今年のレースランキングでも4位につけているので、このペースでいくと年末TOP10も全然ありえそうです。
クレーがどこまで戦えるか、注目ですね。
まとめ
というわけで、今週はメドベデフ・デミノー・ジャリーが優勝を果たしました。
ジョコビッチの連勝をメドベデフが止めたり、ルブレフがズベレフに初勝利を飾ったり、ダニエル太郎の大金星だったり、ポールvsフリッツの3時間半の激闘だったり、エチェベリーvsセルンドロ・バエズの同郷&同世代対決だったり、面白い試合が盛りだくさんな1週間でした。
来週からは少し期間が開いて、いよいよ最初で最大のマスターズ、インディアンウェルズマスターズが開幕します。
アルカラスは優勝すれば、ジョコビッチから再び世界ランク1位をもぎ取ることができます。
ですが、前年覇者のフリッツも好調。ハードの鬼メドベデフも復活。ズベレフも復調の兆しあり、となかなか優勝予想ができない、質が高い大会になりそうです。
どういった結末になるのか、非常に楽しみです!
といったところで、今回はここまでです。ではまた、別の記事でお会いしましょう~
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