クレーシーズン最初のビッグイベント・モンテカルロマスターズが終わりました。
世界ランク2位のアルカラスや、過去11度の優勝を誇るナダルの欠場。世界ランク1位のジョコビッチや2連覇中のチチパスの敗退と、誰が勝つか全く読めなくなりました。
栄光を手にした選手はいったい誰でしょうか?早速振り返っていきましょう!
ドロー
準決勝
(7) J・シナー vs H・ルーネ (6)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/holger-rune-vs-jannik-sinner/r0dg/s0ag
1位ジョコビッチを倒した同胞のムゼッティを一蹴し、マスターズ3大会連続でSFまで進んでいる絶好調の第7シード・シナーと、アルカラスと同じくまだ10代の第8シード・ルーネの対戦です。
両者の対戦は昨年のソフィアで1回のみ、その時はルーネから5-7 6-4 5-2の時点でシナーが棄権し、ルーネが勝利を手にしています。
そろそろビッグタイトルが欲しいシナーは、前半かなり好調に飛ばしていくものの、ルーネの引き出しの多さにリズムを崩されていきます。
最後はシナーのフォアハンドがネットを揺らし、1-6 7-5 7-5でルーネが勝利。自身2度目のマスターズ決勝へ駒を進めます。
ルーネは19歳という若さながら、小技を上手く使っていましたね。純粋な打ち合いではシナーに分があったかと思いますが、ドロップショットやネットも上手く使ってシナーを翻弄していました。
アルカラスもそうですが、この世代は強力なストローク+ドロップショットの緩急をよく使います。今後のメイン戦術になるのでしょうか。
一方のシナーは、まさに強力なストローク一本でここまでのし上がってきたようなプレースタイルです。前半は良くても後半攻めあぐねる展開はこれまでも何度か見ました。
最近はネットやドロップも使うようになって、それが今シーズンの好成績につながっていると思いますが、やはりまだまだ精度が足りない感じでしょうか。
いずれにせよ、二人ともまだまだ成長途中です。彼らのテニスが完成するときが待ち遠しいですね。
(5) A・ルブレフ vs T・フリッツ (8)
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/andrey-rublev-vs-taylor-fritz/re44/fb98
2014年覇者のワウリンカ・2021/2022年覇者のチチパスという2人のモンテカルロチャンピオンをストレートで下してきた第8シードのフリッツは、第5シードのルブレフと対戦します。
ここまでの対戦成績はフリッツから4勝2敗、直近ではフリッツが3連勝しています。ですが、この6戦はすべてハードコートでの対戦。クレーでは初めての対戦となります。
第1セットはほぼ互角のストローク戦を繰り広げるものの、第2セットからはルブレフがリターンの調子を上げて立て続けにブレーク。
後半は強風や雨にも見舞われましたが、最後はルブレフのフォアハンドが炸裂し5-7 6-1 6-3でルブレフが勝利。マスターズでは3度目、モンテカルロ2度目の決勝進出となりました。
ルブレフはモンテカルロとの相性はなかり良いですね。プレースタイル的にクレーと相性が良いというわけではなさそうですが、不思議ですね。
フリッツもクレーの成績はそこそこいいです。ストロークの安定感と攻撃力が最近かなり高くなっていますから納得ですね。
決勝 (6) ルーネ vs ルブレフ (5)
ハイライト
結果
https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/andrey-rublev-vs-holger-rune/re44/r0dg
昨年のパリマスターズに続いて2つ目のマスターズタイトルを狙うルーネと、初めてのマスターズタイトルを狙うルブレフが対戦します。
両者の対戦は過去に2度で1勝1敗。昨年のパリではルーネが、今年の全豪ではフルセットの末ルブレフが勝利しています。
クレーでは初対戦。どちらが勝ってもおかしくない今勝負で、ほぼ互角の戦いを繰り広げます。
ファイナルセットに入るとルーネがギアを上げていきなりブレイク。そのまま4-1 40-30まで進み、これはルーネの優勝かと思われましたが、ここからルブレフが驚異の粘りを見せつけます。
この第6ゲームのピンチをしのぐと、第7ゲームでルーネのサーブをブレイクバック。ルーネがいら立ちを隠せない中、冷静にプレーを続けたルブレフが最後はサービスエースでとどめ。
ルブレフから、5-7 6-2 7-5で勝利。念願のマスターズ初タイトルを獲得しました。
ルブレフはこれが自身13個目のタイトル獲得。ビッグタイトルは初めての優勝となります。ランキングに変動はありませんでしたが、レースランキングを大きく上げて5位まで浮上しました。
惜しくも敗れたルーネも、昨年パリの優勝はたまたまではなかったことを今大会で証明したと思います。
アルカラスの影響で隠れがちですが、10代での実績は相当なものです。精神的にまだまだ伸びしろはあるものの、それでも勝ち上がれるテニスのレベルの高さには目を見張るものがありますね。
今回の準優勝で、自己最高ランキングの7位へ浮上、レースランキングは11位です。ツアーファイナル出場目指して頑張ってほしいですね。
ランキング変動(TOP20)
昨年の覇者、チチパスは今回はベスト8でランキングを2つ落としました。
準優勝のルーネは自己最高ランキングを更新。
ベスト4のシナーは順位の変動は無かったものの、今大会でレースランキングがメドベデフ・ジョコビッチに次ぐ3位に上昇しています。
第1シードのジョコビッチを破る大金星をあげたムゼッティが、再びTOP20に復帰してきました。
ここから得意のクレーでどこまで伸ばせるかが非常に注目です。
まとめ
ということで、クレー最初のマスターズはルブレフが初めてのマスターズタイトルを獲得して幕を閉じました。
ムゼッティがジョコビッチを破る大金星を上げたり、メドベデフがクレーでズベレフに勝利したり、ノーシード爆弾のシュトルフが再び現れたりと、話題に事欠かない大会だったと思います。
来週はATP500のバルセロナ、そしてATP250のミュンヘンと新設されたバニャ・ルカの合計3大会が開催されます。
ドローはこちら
いよいよクレーシーズンも佳境に入ってきます。今後も目が離せませんね!
といったところで、今回の記事はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
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