全米オープンが幕を閉じ、ATPツアーは一旦ひと段落します。
次の舞台はアジアシーズン!上海マスターズを中心に、北京や東京でもATP500大会が開催されます。
そして、このツアーがひと段落しているときに開催される大会は、選手が国を背負って戦う国別対抗戦。デビスカップです!
今回は、2023年デビスカップのグループステージの組み合わせと、その出場選手を見ていきます!
年末の決勝ラウンド出場を決めるのは、どの国になるのでしょうか。早速見てきましょう!
組み合わせ
デビスカップグループステージでは、16か国が4か国ずつ4つのグループに分かれて戦います。
そのうえで、各グループ上位2か国が年末に開催される決勝ラウンドに進出することができます。
グループA
グループAは前年優勝のカナダがシード枠として待ち受けます。
チリ・イタリア・スウェーデンの3ヵ国がディフェンディングチャンピオンに挑みます。
カナダ
昨年は出場した世界ランキング14位のオジェ=アリアシムが今年は欠場し、エースは元世界ランク10位のシャポバロフ。ここ最近不調ですが、どうでしょうか。
シャポバロフの調子次第では、元25位でダブルス要員のポスピシルがシングルスに回るかもしれませんね。
注目は昨年もチームにいた21歳のディアロ。今年からプロに転向し、TOP150の壁を易々と破ってきました。
最近ちょくちょくとツアーでも名前を見るようになりました。勢いのある若手はどんな選手でも倒せる可能性があるので、非常に楽しみです。
チームの平均点的にはそこまで高く無く、よっぽど好調でない限り2連覇は厳しいように感じますね。
チリ
現在着々とキャリアハイを更新しているジャリーをエースに置くチリです。
メンバーを見ても、ジャリーとガリンの二人に掛かっている、そんなチームかなと思います。
サーフェスがクレーなら全然勝ち上がる可能性はありそうですが、今回のサーフェスはインドアハードです。
まあジャリーもガリンも、クレー以外が全くできないというわけではないので全然勝ち上がる可能性はあると思います。
イタリア
グループAの勝ち上がり候補の1国です。非常にバランスの取れたチームですね。ランキング的にはシナーがエースですが、今年は個人を優先してデビスカップには出場していません。
それでもシングルスTOP50から3人。更にダブルス要員で2015年全豪チャンピオンのボレリもいます。
昨年のデビスカップは強豪アメリカを下して準決勝に進出したものの、カナダに敗れてベスト4止まりとなりました。
グループAではこのイタリアが本命かと思います。
スウェーデン
E・イマーがエースのスウェーデンです。
正直、メンバー的にこのグループでも1勝できるかどうか微妙なラインだと思います。
予選の相手も現在157位のジュムホールがエースのボスニア・ヘルツェゴビナでしたし、予選で活躍したM・イマーはドーピング検査を怠ったとして、出場停止となりました。
ただ、あのレジェンド選手、ビヨン・ボルグの息子であるレオ・ボルグが参戦しています。父の後を継げるかどうかという点では注目せざるを得ないと思います。
グループB
グループBは前年準優勝のオーストラリアのブロックです。オーストラリアはテニス強豪国で、過去にデビスカップを28度も優勝しています。
そんなオーストラリアに挑むのは、過去10度の優勝を誇るイギリスとフランス、そして2014年に優勝したスイスです。
かなり地獄のブロックになっています。
オーストラリア
そんなオーストラリアのエースは、今年絶好調で現在も最高ランクを更新し続けているデミノーです。2番手のパーセルも現在最高ランクを更新中で、直近の調子という意味ではかなり良いと思います。
更にダブルス要員も、2022年全豪チャンピオンのコキナキスに2022年ウィンブルドンチャンピオンのエブデンを擁しています。
特にエブデンは直近の全米オープンでも準優勝しており、ダブルスのランキングを8位まで上げています。
かなりバランスの取れたチームで、今年も間違いなく優勝候補に挙げられるでしょう。
フランス
こちらもシングルス要員としてTOP50から3人の選手がエントリーしています。一世を風靡したあのフランス4銃士はもう出ていないものの、これほどのメンバーを集められるのはやはり地力の高さが伺えますね。
注目は19歳のフィス。今年のリヨンで10代にして初めてのATPツアータイトルを獲得し、現在最高ランキングを更新中です。
ダブルスも、2014年全仏チャンピオンのロジェ=バセランと、ダブルス元No.1でキャリアグランドスラム達成者のマウーが居ます。
やはりフランスも優勝候補と言っていいと思います。
イギリス
元No.1を2人も擁する国は2か国だけ。その内の一つであるイギリスです。
2015年にイギリスを優勝に導いたマレーと、現在のエース・ノーリー。更にワシントンで自身初のATP500タイトルを獲得したエバンスに、期待の若手ドレイパー。
ダブルス要員として、元1位で今年のウィンブルドンチャンピオンのスカプスキをメンバーに加えて最高の布陣です。
こちらも優勝候補でしょう。
スイス
そんな死のブロックに入ったスイスです。
2014年にフェデラーと共に優勝へ導いたワウリンカが、いまだにエースを張っています。
そしてTOP50経験者のヒュースラーに、直近の全米でチチパスを破る大金星を上げ、TOP100の壁を突破したシュトリッカーもいます。
決して弱くはないのですが、グループBの他の国が強すぎて勝ち上がりは相当厳しいものになると思います。
グループC
グループCは、過去6度の優勝を誇る強豪国スペインのブロックです。
対するは絶対王者ジョコビッチが率いるセルビア、チェコ、そして唯一のアジア圏からの参戦である韓国です。
スペイン
ランキング的にはエースはダビドビッチ フォキナですが、彼は安定感が全くと言っていいほど無いので、実質的なエースはバウティスタ アグートでしょう。
そしてダブルス要員のグラノイエルスは、2012年のツアーファイナル覇者で、今年の全豪・ウィンブルドンの2大会で決勝まで勝ち上がっています。
更に2008年・2011年・2019年と、スペインのデビスカップ優勝時のメンバーに選ばれ続けています。
この二人の大ベテランに率いられたスペインは、優勝候補とまではいかないにせよ、かなり活躍してくれそうです。
セルビア
2010年優勝国で、現在の王者ジョコビッチが率いるセルビアです。
全米で優勝したばかりなので、ジョコビッチが試合に出るか定かではない(というか、ほぼ出ないと思われる)ですが、ジェレ・ケツマノビッチ・ラヨビッチの3名も非常に強いプレイヤーなので、シングルスは問題ないと思います。
問題はダブルスでしょうか。今のセルビアにはこれといったダブルス要員がおらず、そこがどう転ぶかは正直なところわかりません。
スペインと並んでこのブロックの勝ち上がり候補ではありますが、どうなるでしょうか。
チェコ
なぜか4人しかエントリーしていないチェコです。あまりイメージが無いかもしれませんが、チェコもテニスは強く、過去3度優勝しています。
一つ面白いのは、シングルス要員3人が全員めっちゃ若いんですよね。
エースのレヘチカは21歳。マハツは22歳。メンシクに至っては18歳です。
メンシクは初めて出場したグランドスラムである今年の全米でなんと本戦3回戦まで進むというなかなかの勢いを持ってこのデビスカップに臨みます。
今年はともかくとして、今後のチェコは非常に楽しみですね。
韓国
唯一のアジア圏からの参戦はクォンが率いる韓国です。
予選で、ゴファン率いるベルギーに3-2で勝利してグループステージ進出を決めました。
現在TOP100の選手がいない国はこの韓国だけですが、逆に言えば失うものは何もないということです。波乱を巻き起こしてくれるのでしょうか。
グループD
グループDは、これまた意外かもしれませんがクロアチアのブロックです。
クロアチアもテニス強豪国でデビスカップの成績はかなり良く、過去に2度優勝。2020、2021年は準優勝。昨年はベスト4という結果を残しています。
対するはオランダ、フィンランド、アメリカの3ヵ国です。
クロアチア
クロアチアは、長年チームをけん引してきたチリッチと、若手のチョリッチが欠場し77位のゴヨがシングルスのエースです。
ですが、そのゴヨも全米で4回戦まで進出し、現在最高ランキングを更新中です。
そしてクロアチアは何よりダブルスの強さがピカイチですね。
今年の全仏を制し、38歳という年齢で自己最高ランキングを更新したダブルスの名手ドディグと、全豪・全米・ウィンブルドンを男子ダブルスで制し、今年のウィンブルドンの混合ダブルスを優勝した元1位のパビチもいます。
シングルスがかなり不安ですが、今年もグループステージをなんとか突破したいですね。
オランダ
オランダはこれといってテニスが強い訳では無かったですが、それも過去の話。最近のオランダテニス界はかなり活気づいていますね。
現在最高ランクを更新中のフリークスポールをエースに、元22位のザンツフープを擁してシングルスのレベルはかなり高めです。
ダブルスにおいては、今年のウィンブルドンを優勝した昨年末の世界1位クールホフと、2022・2023年全仏ベスト4に残ったミデルクープが固めています。
メンバー全体の平均が非常に高く、団体戦ではとても猛威を振るいそうですね。
フィンランド
ルースブオリをエースに置くフィンランドです。
予選で強豪アルゼンチンを3-1で下してグループステージ出場を決めました。ちなみに、この3勝すべてにルースブオリが出場しています。
ダブルスは今年の全米の混合ダブルスで優勝したへリオヴァーラがいますが、シングルスに関しては完全にルースブオリ頼みといった感じでしょうか。
韓国やスウェーデンほどでは無いにしろ、勝ち上がるのはかなり難しいメンバーかと思います。
アメリカ
そして優勝候補筆頭はやはりこのアメリカでしょう。
過去32度の優勝はデビスカップ最多で、テニス大国といえばアメリカですからね。
そんなアメリカはエースのフリッツは出場しないものの、最近キャリアハイを更新したティアフォーと、現在更新中のポールがシングルスに出場します。
もう一人のマクドナルドも現在キャリアハイ更新中という、ランキング的にも勢い的にも最高のメンバーだと思います。
そして注目はやはりダブルス。今年の全仏で優勝し現在の世界1位に輝いたクライチェクと、今年の全米で3連覇を達成した元世界1位のラムが出場します。
実績で見ると、このダブルスペアが今回のデビスカップで一番ですね。相性もあるので一概には言えませんが、この二人のダブルスを見るのが今からとても楽しみです。
まとめ
というところで、デビスカップについていろいろ調べてみました!
シングルスは個人を重視して出場しない選手がそれなりにいるものの、ダブルスはかなりのTOP選手が出場しますね。
普段はシングルスばかり注目されていますし、こういった機会にダブルスにも目を向けていくと非常に面白いんじゃないでしょうか!
といったところで、今回はここまでです。また別の記事でお会いしましょう~
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